男の逸品図鑑では、主に私が購入したモノの中から、これは一生モノたり得ると感じた逸品をご紹介しています。
今回ご紹介するのは、浄法寺塗りのお椀二種類で、滴生舎の角椀と岩舘隆氏のお椀です。色は両方とも溜です。
岩手県二戸市浄法寺町を一帯とする地域は、国産漆の約7割を産出する、国産漆の産地として古くから有名です。
日本は漆の約98%を海外産の漆に頼っており、国産の漆は大変希少なものとなっています。
今回の二種類のお椀は、そんな国産の浄法寺漆を全ての工程で使用しています。
直線的な輪郭が特徴的な、この滴生舎の角椀は、手に持った際のかかりが良く、とても安心感があります。
その名の通り、腰のあたりで角が立っており、その角には、下に塗られた朱色が浮かび上がっています。
そのため、茶褐色の椀に朱色のラインが入ったような、美しいデザインとなっています。
こちらの岩舘氏のお椀は、ぷっくり丸みのある輪郭で、木ならではの暖かみを感じます。
現在は鈍い輝きですが、5年、10年と使用してゆくに従って、艶やかな輝きとなってゆくことでしょう。
このような、経年による変化・美化も漆器の楽しみの一つだと思います。
皆さんも是非 日々の暮らしの中で漆器を活用し、経年による変化・美化を楽しんでみてはいかがでしょうか。