
男の逸品図鑑では、主に私が購入したモノの中から、これは一生モノたり得ると感じた逸品をご紹介しています。
本日ご紹介するのは、仁城義勝氏による工房仁の入れ子椀です。こちらはサイズが異なる四つのお椀に、お皿としても使える蓋がセットになった意匠となっています。
仁城氏は岡山県を拠点に製作を続けられており、木の器の命ともいえる木地作りから最後の漆塗りまでの全工程を一人で一貫して手がけてこられたことで知られています(現在は惜しまれつつ第一線を退かれ、その確かな技術と意思は息子さんへと引き継がれています)。

四つのお椀をきれいに重ねて上からそっと眺めると、まるで大樹の年輪のように美しい模様が浮かび上がってくるのが印象的です。

3〜4回ほど丁寧に漆が塗り重ねられているものの、その表面には隠しきれない木本来の豊かな木目がしっかりと見てとれます。
使い込むほどの未来の経年変化によって、漆が少しずつ透けてさらに味わい深い木目が浮かび上がってくるのが、今から本当に楽しみでならない珠玉の逸品です。

この入れ子椀には木が持つ本来の風合いがたっぷりと残されており、触れるたびに自然の温もりを心地よく感じさせてくれます。
皆さんもぜひ、手仕事の温もりと経年変化が楽しめる素敵な漆器で、日々の食卓を優しく彩ってみてはいかがでしょうか。

