最近は、セルロイド製のメガネが再び脚光を浴びてきているようですね。
昔は、メガネ、おもちゃ、ボタンなどセルロイドを使用した製品が世の中に多く出回っていました。
しかし、近年は、その取り扱いの難しさや製造工程にとても手間がかかることから製造されることが少なくなってきており、セルロイド製品を目にする機会が減ってきていました。
そんなセルロイドですが、改めてメガネの素材として見直されてきているようです。
実は、数は少ないのですが、万年筆にもセルロイド製のものがあります。
このページでは、私の考えるセルロイドの魅力とお手入れ方法、そしてセルロイドを使った高級万年筆である「アルマンドシモーニクラブ オジバアルコⅡ」のおすすめポイントをご紹介していきます。
1. 私の考えるセルロイド万年筆の魅力とお手入れ方法
・セルロイド万年筆の魅力
吸い付くような手触りと独特の深みのある艶感が魅力のセルロイドは、1856年に歴史上最初の人工プラスチック素材として開発されました。
とても燃えやすいため、取り扱いや保管が難しく、また、製造コストも高いことから、徐々に他のプラスチック素材に取って代わられてゆきました。
セルロイドの魅力は、何と言ってもその吸い付くような手触りと独特の深みのある艶感だと思います。
他のプラスチック素材と違い、ツルツルと滑ることなく、肌に吸い付くように馴染みます。
そのため、直接肌に触れるメガネや万年筆の素材としては、非常に優れていると考えています。
また、単純な発色だけでいうと他のプラスチック素材に軍配が上がりますが、セルロイドには独特の深みある艶があり、その艶がレトロ感や工業製品とは思えない質感を生み出していると考えています。
・セルロイド万年筆のお手入れ方法
日々の生活で万年筆を使用して、優しく乾拭きするだけです。
セルロイド製品は、油脂で表面が白っぽくなったり、湿度で痩せてゆくといった話をよく聞きます。
しかし、私が行なっているのは、日々の生活で万年筆を使用して、使用後にはハンカチなどで優しく乾拭きする、これだけです。
これは私の勝手な思い込みですが、日々、手にして使ってあげることで適切な水分量が保たれ、使用の都度行う乾拭きで、油脂を取り除けているのではないかと考えています。
2.「アルマンドシモーニクラブ オジバアルコⅡ」の3つのおすすめポイント
・琥珀色に輝く木目模様を持つセルロイド
この万年筆には、アルコ・ブラウンと名付けられたセルロイドが使用されています。
アルコ・ブラウンは、透明感のある琥珀色に年輪のように積み重なった木目模様がとても美しいセルロイドです。
深みのある独特の光沢と吸い付くように馴染む手触りは、セルロイドの持つ唯一無二の特徴だと思います。
・廃業したオマスの貴重な材料を使用
この万年筆は、2016年に惜しまれつつも廃業したイタリア オマス社の残された貴重な材料と資材で製作されています。
2度と生産が出来ないと言われる木目の美しいセルロイドを贅沢に軸に用いており、また、貴重なオマスオリジナルの18金ペン先を上品なピンクゴールドに仕上げて使用しています。
・世界でたった20本の希少性
「アルマンドシモーニクラブ オジバアルコⅡ」は、万年筆・筆記具専門店のキングダムノート別注品として、全世界で20本のみ限定生産されました。
オジバとは、イタリア語で尖ったアーチという意味で、優雅な曲線と美しい琥珀色の外観が特徴のこの万年筆にふさわしい名前だと思います。
3. 大人の雑学
・オマスとは
オマスは、1925年にアルマンド・シモーニがイタリアで創業した筆記具ブランドです。
その特徴は、ギリシャ文化と融合した美しいデザインで、創業者アルマンド・シモーニが最初にデザインしたのが、本日ご紹介した万年筆のデザインであるオジバと言われています。
しかし、2016年に惜しまれつつも廃業してしまいました。
・アルマンドシモーニクラブとは
アルマンドシモーニクラブは、2016年に廃業したオマスを引き継ぐ形で、オマスの創業者アルマンド・シモーニの名を冠して復活したブランドです。
オマスの貴重な素材やデザインを継承した万年筆を製作しています。
セルロイドの万年筆で文字を書くと、どこかノスタルジーな懐かしさを感じます。
皆さんも是非セルロイドの万年筆の光沢と手触りを試してみてはいかがでしょうか。